2020/04/28 10:31
鮮やかな色彩と透明感、涼しげな気泡が美しい琉球ガラス。
1000度以上の高温で焼かれる琉球ガラスは、燃焼温度や燃焼時間によって形が変わり、熱で真っ赤に溶けたガラスが鉄のパイプから息を吹き込まれることで様々な色・形へと姿を変えることから“炎の芸術”とも呼ばれています。
光のあたり方や見る角度によって多彩な表情を見せてくれるため、空間のアクセントにオブジェとして購入される方もいらっしゃるかもしれません。
そんな見ているだけでも美しい琉球ガラスですが、うるま市にある匠工房の代表 松田英吉(まつだひでよし)さんは「飾るだけでなく、日常生活でどんどん使ってくれたら嬉しいです」と話します。
松田さんは実際の使い心地を確認するため、試作した後は必ず自分自身で使い、家族や知人にも意見を求めて、改善点などがあればすぐに調整。「毎日使いたくなる仕上がりになるまで、妥協はしません!」と話します。
実は松田さん、この道に入るきっかけは“学費を稼ぐためのアルバイト”だったそうです。
昼間はガラス工房で働き、夜は大学(夜間部)で勉強をする生活を送っていたそうですが、経験を積む度にガラスの世界に魅力を感じるようになったと言います。大学卒業後は2ヶ所の工房で修業を積み、その後に独立。「自分にしかできないオリジナルデザインのものを作りたかったんです」と話す松田さん。
生まれ育った沖縄で自分が見て“美しい”と感じた風景や色彩を琉球ガラスで表現します。
ガラスに閉じ込められている無数の細かい気泡は、匠工房がこだわっているポイントのひとつです。
沖縄の青い海と、リーフに打たれシュワッと水中に漂う泡を表現するため、様々な材料を調合しながら試行錯誤を重ねました。
そして出来上がったのがこの発泡剤。発泡剤は消しゴムサイズのものからサラサラとしたパウダー状のものまであり、用途に合わせて使い分けているそうです。
匠工房では琉球ガラス手作り体験(要予約)もできるので「琉球ガラスについてもっと知りたい!」という方もぜひ。
工房横に併設されているショップには、数え切れないほどの琉球グラスやお皿、ランプ、アクセサリーが並べられていて、あれもこれも手に取ってみたくなります。
ずっと眺めていたいほど美しい琉球ガラスは、沖縄土産としても喜ばれるはず。沖縄観光の際は、メイドイン沖縄の琉球ガラスをご自身の目でお確かめください。
ずっと眺めていたいほど美しい琉球ガラスは、沖縄土産としても喜ばれるはず。沖縄観光の際は、メイドイン沖縄の琉球ガラスをご自身の目でお確かめください。
撮影・取材/舘幸子